けあぶる 訪問看護リハビリステーション

けあぶる 訪問看護リハビリステーションです

幸福に生きるための秘訣

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f:id:yasuraginomori:20190523222120j:plain 休日に友人と、公園に出掛けた。色とりどりの薔薇が、「私を観て!」と言っているかのように、美しく咲いていた。他にも友達同士や、家族、夫婦、年配の方から子どもたちまで、たくさんの人々が訪れていた。

 そんな中、両手に杖を持ってゆっくりゆっくり一歩づつ前に進み、薔薇を眺めている60代後半くらいの方がいた。

 私が「こんにちわ」と声を掛けると、「こんにちわ、薔薇がきれいね」と笑顔で返事をしてくれた。
 バスで買い物に出掛け、帰る途中にふと「そうだ、ちょうど薔薇が咲いてる、寄り道して帰ろっ」って突然思いつき、とっさにバス停を降りたら、手前で降りてしまい、かなり長い距離を杖で歩いて来たよう。それでも、その女性は笑顔でとても幸福に観えた。

 ところが、話をいていくうちに意外なことが、、、
なんと、その女性は両膝を手術し、胃癌の手術もしており、さらに、両目が網膜剥離、片方は角膜移植で視力を取り戻したが、片方は失明しているという。

 最近、ご主人様をなくされた。訪問看護を利用し、在宅で看取りを考えていた。100歳近くなる母親の介護もあり、ご主人は最期は病院で看取られた。それでも、訪問看護師さんたちに励まされ、最善を尽くすことができ、看護師さんたちに感謝しているという。

 私も看護師であることを伝えると、母親の時は訪問に来てほしいと言ってくださった。住んているところが遠いため、訪問看護に伺うことはできないが、会ってその場で、そのように言って頂けて、とっても嬉しかった。 

 最後にどうして、これほどの病気や手術を経験し、しかも片目を失明しているのに、そんなに幸せなそうに観えるのか尋ねてみた。すると、こんな答えが帰って来た。

 足は悪くても歩ける。片目観えないけけど、片目は観える。こんなに美しい薔薇を、毎年毎年楽しめる。病気であることを忘れられるんですよ。、、亡くなった主人ともまた会いたい、また会えるって思っているんです。と、

 「人と人との出会いに感謝、、、こんなに素晴らしい人に会えて、美しい花を観ることができて、、、神様に感謝しているの。そして、希望があるから幸せなんですよ。あなたも希望を持って頑張って! 願いは必ず叶うから、信じていると幸せな気持ちになれるの」

と、初めて会った私とのほんのわずかな時間でしたが、この方の一生分の思いが伝わってきました。とても、不思議な感じがしました。私も幸せな気分になれました。叶うならば、もう一度この方にお会いしたい。

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