けあぶる 訪問看護リハビリステーション

けあぶる 訪問看護リハビリステーションです

桜が咲く季節になると…

はじめて投稿させて頂きます。
訪問看護ステーションは 桜の名所
「かにがさわ公園」の近くにあります。
毎日桜の花を眺めながら出勤できてとても幸せです。
桜の咲く季節になると…
ふと ある方のことを思い出します。
それは 数年前に 鍼の治療で関わらせて頂いた友人のお母さんのことです。
お母さんは、間質性肺炎という病気で、
医師からは余命半年と言われていました。
私が関わらせて頂いた時は、余命宣告を受けてから数か月が経過しており…
その頃の体調は、少し動いただけでも 酸素飽和度が80%代になり、体位を代えただけでも咳が出て止まらず苦しそうな感じで落ち着くまでとても辛そうでした。
家族や、御本人から少しでも良くなりたい、呼吸が楽になりたいという希望があり、体質改善と呼吸筋の緊張を軽減するような鍼治療を月二回させていただいておりました。
夏頃に余命宣告を受けてから半年が経過して、桜の咲く季節になりました。
状況はあまり変わらない感じでしたが、体調が良いときもあったので、家族から「桜を見に一緒見に行こうよ」とお母さんを誘っても…「もう少し良くなってから、もう少し暖かくなってから…」と言っている間に 季節が過ぎていきました。
鍼を受けると呼吸がしやすくなるということだったので体調をみながら治療を継続させて頂いていましたが、だんだん食事をしてもむせる、詰まらせることが多くなり、殆ど食事かとれない日の方が多くなっていきました。
そして治療日の前日、夜から呼吸が更に苦しくなり、寝返りを打つこともできなくなりました。 翌日朝は、ベッドの上から動くことができなくなり 意識も時より朦朧とするようになってきました。
「もしかしたらこの先会えなくなるかもしれないので さするだけでも良いから診てほしい」と友人か告げられその日も治療をさせて頂きました。
治療中に在宅医に相談し 往診にきてもらいました。家族で話しあった結果後日救急搬送となり、2日後家族全員に見守られなから安らかに旅立たれました。
家で最期を迎えたいという、 御本人の希望を叶えられなかったこと
体調が良いときに桜を見に行くことができなかったこと
この季節になると思い出し、自分の関わりかたは良かったのか?もっと良い方法はなかったのか?今でも私の心の奥に残っています。
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注意:
上記はステーションでの患者様との関わりを書いたものではありません。
2年半前に友人のお母さんを個人的に治療させて頂いた時の関わりを書かせて頂きました。
ステーションでは個人情報保護法に基づき個人情報の保護を厳守しております。

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